作品作りをしていると、根性でどうにかなる工程とならない工程の二種類があるコトに気がつく。
この〝根性でどうにかならない工程〟について今日はつらつらと話してみたい。
0⇒1工程という魔境
最初に結論を言ってしまうと、根性でどうにもならない工程というのはいわゆる〝0⇒1工程〟だ。
……こう言うと、作品作りそのものが0⇒1工程なんじゃね? と思われてしまうかもしれないけれど、ちょっと違う。
作品を生み出すという意味では確かに作品作りは0⇒1なんだけど、その制作工程を見てみると真に〝0⇒1〟なのはほんの一握りだ。
例えば、イラストで言うならラフが0⇒1工程に当たる。
頭の中にあるイメージを画面の中に写し取っていく作業なんだからそれはそうだ。
一方で、ラフ以降はおかしな部分を修正したり、すでにある程度形になっているイメージを洗練させていったりという工程になるので、ここは1⇒10工程になる。
根性でどうにかなる工程だ。
とにかく手を動かせば形になってゆく。
なお一応言っておくと、1⇒10工程なら頭を使わないでいいのか? と言うとそういうわけではない。
普通に頭は使うし、あーだこーだと試行錯誤することになる。
ただ、0⇒1工程とは頭の使う部分が違うというか、疲労感の桁が違うというか、なんだろう……脱力感を伴う疲れ方をするのだ。0⇒1工程は。
そしてこの〝脱力感〟というのがミソで、0⇒1工程を経るととにかく何もやる気にならない。
イラストの場合はほんのちょっとの時間なのでそのまま次の工程に進めるけれど、絵コンテというか字コンテの場合は本当にしんどい。
一行一行絞り出すのに凄まじいエネルギーを消費するので、かけている時間に対する疲労感が半端ない。
というかボクの場合事実上他に何もできなくなる。
布団に潜り込みながら数行書き、妄想を膨らませているうちにうたた寝し、起きたらまた書き。
……と言うと結構頑張っているように見えるが、こうした作業をしているのは一日のうちの二時間か、せいぜいが三時間だ。
他の時間はうたた寝をしているか、ぼんやりとYoutubeやついったを見たり、ソシャゲをしたり、オナニーをしたりしている。
なんという時間の無駄。
と思うけれど、実際問題、それ以外のコトに全然思考リソースが割けないのである。
0⇒1工程は根性ではどうにもならない
一応言っておくと、常にこういう自堕落な生活をしているわけではない。
というか、1⇒10工程であればちゃんとある程度の時間作業に充てられる。
なぜなら根性でどうにかなるからだ。
疲れたなー、と思う事はあるけれどそれは肉体的な疲労だったり、頭がどんより重い……といったような正常な脳みその疲れ方をする。
こういう時は運動したり、少し遊んだりでリフレッシュするコトで再び作業に戻れる。
あるいは「○○時まで頑張る」と決めてそこまで走り抜くという、根性論で勝負ができる。
けど0⇒1工程はそうはいかない。
全神経を集中させて妄想を爆発させ、登場人物になりきってその心境を拾い上げていく。
あたかも目の前に女体が、あるいは男根があるイメージをハッキリと浮かび上がらせながらその質感を掬い上げて文字ないしは構図に落としてゆく。
無茶苦茶疲れる。
特に字コンテみたいに、エッセンスだけを丁寧に掬い上げて形にする作業は本当に疲れる。
普通よりも更に妄想を先鋭化させて、状況や心境を端的に表現する言葉へと変換しなければならないのがキツくて仕方ない。
この点、実は同じ文字媒体でもノベルの形態だともう少し負担が軽い。
ノベルの場合イメージしたものを思うままに表現すればいいので、ありったけの言葉を重ねて妄想に肉付けを与えられるからだ。
今自分が感じている思いや情景を最低限の表現で落とし込まなければいけない字コンテに比べればまだ負担は軽い。
そんなわけで、0⇒1工程を経た後というのは燃え尽きて真っ白になってしまっていて、ここから何かをするというのは正直厳しい。
というか正直寝るくらいしかできない。
ゲームやオナニーすらし始めるのに手間取るくらいなのだ。
妄想を膨らませているうちに寝落ちする……なんていうのもザラで、ましてイラストを描く……といった作業なんてできるはずもない。
0⇒1工程に根性を持ち出さないという心構え
世の中は広いので、ボクではこれほど苦しんでしまう0⇒1工程を息を吐くようにできてしまう人たちもいるんだろう。
そういう人たちは0⇒1工程を苦痛に思ったことなんてないだろうし、仮に思っていたとしても根性でどうにかできてしまうんだと思う。
……が、ボクには無理だ。
いや、無理と決めつけて可能性を閉じるのはよくないんだけど、色々努力はしたもののこの工程だけは本当にどうしても疲労感がヤバい。
訓練するか、あるいはそんなこと言ってられないような状況に追い込まれればやるのかもしれないけど……身体を壊すか、いいものができなくなるかのどちらかに落ち着くような気がする。
なにせ0⇒1工程というのは作品の肝であり根幹なので、ここがダメだとどれだけ他で取り繕おうとまず上手くいかない。
逆に、ここがしっかりしていれば後の工程はそれこそ努力で洗練させてゆける。
絶対に手は抜けないけれど凄まじく疲れる。それがボクにとっての0⇒1工程だ。
だからまあ……今後少しずつでも改善してゆくというのは念頭に置きつつ、ここに関して時間がかかるのは仕方がないという気持ちでいるというのも大切かな……と考えるようにしている。
根性でどうにかできないものを根性で頑張ろうとしたって自分を追い詰めるだけだ。
それよりは、根性ではどうにもできないんだというコトを認めて、その上でどう頑張っていくかに焦点を当てる方がずっと建設的だろう。
なので今は純粋に、時間はかかったものの次作の字コンテができあがったコトを喜びたい。
個人的にはそれが、根性でカバーできない工程との付き合い方だと思うのだ。
ということで、数日間うんうんうなりながらどうにか次作の字コンテを書き上げた。
こう言うとまだまだのようだけど、CG集の場合、字コンテができたというコトはほぼ完成形が仕上がったというコトだ。
後は出来上がった文章(シーン)をベースにイラストを描いて描き文字を載せていけばいい。
つまり根性でどうにかなる領域である。
頑張るぞ……!
ではでは。今回はこの辺で。
皆様よいオナニーライフを……!
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