初CG集である『子宮堕とし――勇者パーティのエルフ娘が魔王の配下に堕ちるまで』をどうにか完成させた今、審査待ちだとかまだ発売はされていないとかいう状況であっても〝次〟のコトは考えないといけない。
売れそうなモノか、作りたいモノか
さて、〝次〟を考えるなかでずっとネックになっていたのは〝売れそうなモノ〟にするのか〝作りたいモノ〟にするのかというコトだった。
これは一応、「売れそうだからNTRにすっかぁ……」という安直なレベルの話ではなく、なるべくド王道に寄せて、かつ不人気ジャンル(相対的不人気も含む)を外すか、それとも己の欲求に従って作りたいモノを作るかという話である。
あとついでに、これから先の『えろんのかんづめ』のブランドイメージをどうしてゆこうか? という問いでもある。
堕ちモノに全振りするのか否かといったコトも含めて考えに考えて、大分煮詰まってどうにもならなくなってうだうだしていた時間も結構あった。
まあ、正直に言えばある程度売れてくれないと困るというのは本音だ。
仕事を辞めてしばらく同人活動に専念するという中で、少しでも売り上げに繋がりそうな要素をかき集めた方が可能性が広がりそうにも思える。
ただ困ったコトに、そうやって「多くの人に刺さりそうなモノ」を考えても考えても一向にいい案が出てこない。
どころか考えれば考えるだけネガティブな気分になってくる。
「それをやるんだったら別にボクじゃなくてもいいよね?」という自問に押し潰され、答えに窮した自分が発するのは結局「でもそっちの方が売れそうだし……」という情けない返答。
どんどんどんどんネガティブになっていって、そこでようやく一つの結論に達する――というか思い出した。
そもそもボクは、自分の作りたいモノしか作れんのだ。
他人のコトを考えると動けなくなるという弱点
思い返せば多分、もうずっと前からボクは「他人のコトを考えて動く」というのができない。
というか、どっちかと言うと考えすぎて動けなくなるか、相当に動きが鈍る。
例えば前の席で誰かが鉛筆を落としたとして、拾おうとする前に「自分に拾われたらこの人は嫌がるのでは?」と考えてしまい動かない……みたいなそういう話だ。
これは困ったコトに何に対してもそうで、とにかく、他人に依頼されたり、あるいは他人の要求について考えれば考えるだけ動きが鈍り、何かしらの成果物を出しても「自分らしさ」みたいのを極力抑えた……というか、その人の要求に沿っていそうなレベルに丸くしたモノを提出しがちだ。
最近はさすがにその弱点に気付いたコトもあって「他人がお願いをしてきてくれるのは〝自分の全力=個性〟を期待してのコトだ」と自分に言い聞かせて、全力で自分の思うベストを提案するようにしているけれども、相応にエネルギーを使うというのに違いは無い。
ともあれそういう弱点が自分にはあるので、数値的・統計的にこの辺を攻めた方がいいよね……といったような理論的なアプローチとか、こうした方がマジョリティには刺さりそうだよね……といったような多数派へのアプローチといった「理屈的に考えたらこっちの方が……」に対して全然前向きになれない。
そういう考え方より「売れ線的にはこっちの方がいいかもしれないけれど――自分はこっちを作りたいし、そういうのが好きな人には絶対刺さる……!」の方に全ベットした方が力を発揮できる……というより、そういう生き方しかできない。
これもまた社会人が全く向いてなかった理由の一つでもあるんだけど、ともかく、ボクが同人に人生を全ベットする期間を設けようと思ったのは「自分が作りたいと思ったモノを、それを渇望している人たちに届けるコト」であって「マジョリティに訴えかけるモノを作りたい」ではなかった。
生活のコトとかを考えてついつい守りに入ろうとしてしまっていたから、「お前それは違うだろう……?」と、ボクの本心が賢明に訴えかけてくれていたんだろう。
だからボクは作りたいモノを作る
というわけで、散々悩んだ結果、売れそうとかどうとかいうマーケティング的なコトは一旦脇に置いておいて、とにかく自分が作りたいモノを作るコトに集中することにした。
まあそもそも論、この一年は売り上げがどうのこうのというよりとにかく作品を世に出すというコトに注力すべきという風にも思うので、長期的な戦略の面でもさして間違ってもいないハズだ。
で、じゃあ今現在何を構想しているかというと『TSっ娘の悪堕ちモノ』である。
うん。TSっ娘だ。
このジャンル、それなりに浸透してきているとはいえ存外まだまだマイナーで、売れ線か否かで考えれば全く売れ線ではない。
そして、売れ線ではないジャンルというのはそれだけで最大値が決まってしまうくらいの大きな影響を持っている。
これはノクタで散々辛酸を舐めさせられたからよく分かる。
今は多少傾向が変わっているのかもしれないけれど、ボクがメインで活動していた時期のノクタというのは〝女主人公〟である時点でPtのマックスは一万前後で頭打ちだった。
百合なんてもっと悲惨で、ハーレムの中でなんとなく百合がある……みたいなのを除いた本物の百合の場合、数千Ptが関の山といった具合だ。
それくらい、(相対的に)不人気であるというジャンルは結果にダイレクトに響いてきてしまう。
だから〝売れそうか否か〟という部分だけで考えれば絶対にTSは外した方がいい。
でもボクはTSモノが作りたい。
TSモノのまともな作品のあまりの少なさには憤慨しているし、だからこそボクはボクの信じるTSモノを送り込みたい。
売れるか売れないかで言えば少なくとも〝売り上げ総数〟には期待できないけど、でも、刺さる人には絶対に刺さるだろうな……という確信はある。
だからもう迷いはない。
あとはこれをリリースに向けて頑張るだけだ。
というわけで次の案は決まった。
不思議なコトに、〝作りたいモノを作る〟にフォーカスを当てた瞬間から湯水のようにアイデアが湧いて詳細が固まってゆく。
だから多分、これでいいんだろう。
ではでは、今回はこの辺で。
皆様よいオナニーライフを……!
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