難産……だったと思う

備忘録

2022/03/05。
この日付が何かと言えば、新作CG集『洗脳令嬢【奉雌07】』が完成した日である。

 

最終チェックを終えて、申請画面から登録ボタンを押して。
けれどそうして去来したのは達成感や安堵ではなくて、なんというか「ようやく終わった……」という脱力感のようなモノだった。

無理もない。
なにせ本作は本来なら二月の頭には完成していたハズで、計画から見事にひと月も遅れてしまっている。
なので感覚としては〝何度もリジェクトを食らった論文がようやく通った〟時のようなモノで、ここに対して〝達成感〟のようなポジティブな感情が湧き起こってくるのは実際に発売された時からだろう。

ただそれとは別に無視できない問題がある。
なぜこんなに遅れたのか? というコトだ。

これはまあ、短絡的に言えば体調を崩したからではあるのだけれど。
一月の末から二月の末にかけての丸一ヶ月、本当にしんどい目に遭った。
水分不足から端を発してのコトだったけど……ただ、その問題の本質は別のところだ。

――多分ボクは、燃え尽きてしまったんだと思う。

なんでそんな風に思うかと言えば、実はこの一ヶ月、フィジカルの面だけでなくメンタルでも無茶苦茶に沈んでいたから。
なぜストレス源が無いのにメンタルが沈むんだ……? ってな感じで頭を抱えたし、これはいくらなんでもマズいとなって旧友に連絡を取って話を聞いてもらったりもした。

で、今は大分持ち直してきて……改めて原因を探ってみれば、そもそも論自分をいじめすぎたんじゃね? という可能性に行き当たっている。
なんとも皮肉な話だ。
会社員を辞めて、しばらく同人に専念すると決めて。
だから、一日の作業時間を最低でも10時間と決めて突っ走ってきた。

そのために色々工夫をして、時間を作って、家事等は最低限に済ませて。
それでも時間は確保できず、ちょくちょく8時間とか6時間の日もあって、そのたびに「ダメだダメだ!」と追い込んで。
そうしてどうにかこうにか走ってきたんだけど……その辺の無理によるひずみはずっと蓄積していて、それが水分不足から端を発した強烈な肩こりと頭痛という形で顕在化したんだろう。

我ながら本当に情けない。

けれど同時に納得もしていたりする。
昔から――本当に、高校生くらいの頃からずっと、ボクは「やりたくないこと」に対する耐性がない。
高校生や大学生の当時、どれだけ頑張ろうと決めても勉強に費やせる時間はせいぜい数時間。
あの若い時ですらそれ以上はどう頑張っても無理だった。

年を取った今でもその本質は変わっていない。
どうやらボクが〝頑張って〟何かをできる時間というのは数時間のようで、それ以外は〝やりたいこと〟以外ではロクに動けないようである。

こう言うと「同人活動はやりたいことじゃないんかい!」と言われそうだが、もちろんそれはその通りで、当然同人活動は〝やりたいこと〟だ。
ただ、じゃあその中にある全ての工程が好きなことかと言えばそんなことはなく、代表例で言うと〝描き文字〟は本当にしんどくてしんどくてしかたがない。
線画や塗りにしたって基本は楽しくできるけど、それが十何枚も続けばさすがにしんどい。途中で息抜きもしたくなる。

そんなものだ。
なのにそこに目をつむって、元より無茶なスケジュールをどうにか回そう回そうとやり過ぎた結果のダウンだった……というのがコトの本質で、まあ……今のうちに経験できてよかったと思うしかないコトなんだろう。

 

さて、そんな感じでひと月も遅れた本作だけど、難産だったのはそれだけが原因でもない。
なんせ本作、骨子が固まるまでに何度も何度もプランが入れ替わっている。

実は、一番最初に考えていたのは生体コア化のCG集だった。
けれどそれはなんともエロくできそうになくてお蔵になり、その後二転三転色々な案を経由して最終的に辿り着いたのが本作のコンセプトである『洗脳+ご奉仕雌穴の日常』だ。

これにしたって元々は『洗脳モノ』という形で考えて色々とプロットを練っていたのだけれど。
考えれば考えるだけ〝即堕ち二コマ以外で機械洗脳はやりにくい〟という結論が揺るがず、それなら……という形で〝ご奉仕雌穴の日常〟というエッセンスを付け加えた。
やってみて思ったけど、やっぱりこの問題に対する回答は恐らく二つしかなくて、〝即堕ち二コマを避けて徐々に思考を変えていく〟か〝即堕ち二コマをベースにして堕ち後をメインに描く〟かしかないと思う。

機械洗脳モノの名作と言えば『ラビットサイレンス-エージェント発情洗脳計画-』とか『退魔捜査官ハヅキ~淫獄の洗脳改造~』だけど、この辺の作品は〝即堕ち二コマを避けて徐々に思考を変えていく〟というパターンだ。

というか、一般的に〝洗脳〟という形で供与される話はこうなるコトが多い。
理由はさっき述べたように、そうでもしないと一瞬終わってしまって話の作りようがないから。

一方で、本作『洗脳令嬢【奉雌07】』は〝即堕ち二コマをベースにして堕ち後をメインに描く〟をコンセプトでやっている。
まあ、本当に〝即堕ち二コマ〟をやってしまうと堕ち後しかないCG集になってしまうので、ここは〝本人の意識がないだけで洗脳の時間自体は相応にかかっている〟という折衷案のようなモノでシーン数を確保しているけれど。

とどのつまり、結局即堕ち二コマこそが機械洗脳の魅力を最も引き出せる表現方法……というコトなんだろう。

話を元に戻そう。
ともあれ、そういう気づきというか悩ましい制約に対しあーだこーだうなりつつようやく捻り出したアイデアを形にしたという経緯があったから、やはり本作は難産という印象が強い。

しかもタイトルを決めるのにもまた相当に時間がかかった。

Ci-enでも触れたけど、ここまでタイトルをつけるのに悩んだのは初めてで、色々なワードを組み替えてはつなぎ合わせ、その都度「センスねぇ……」と頭を抱える……を繰り返した。
そんな経緯だったので最終的に辿り着いたタイトルは気に入っているんだけど、こういう諸々があったから、クランクアップを迎えた今の心境が〝脱力感〟に等しいモノなんだろう。

 

さて、完成した以上視点は次に向けないといけない。
次作は今作で学んだことを生かして、自分の性格に合ったスケジュールというか、進め方でやろうと思っている。
無理してひと月を無駄にするくらいならそっちの方が建設的だ。
頑張ろう……!

 

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