魔族暮らしの振り返り

いい加減これをやっておかないと今後それをする機会がなさそうだ……ってことで、軽く魔族暮らしの振り返りというか、反省点みたいのを書いてきたいと思う。

さて、別に今更言うまでもなくこの作品はボクがノクタに初めて投稿した作品で、処女作だ。
これより前の作品となると十年以上前に高校時代に書いてた健全な代物くらいで(そのうちの一つはなろうに投稿してあるアレ)、ネットに投稿した、という意味では正真正銘この作品が初めてということになる。

なんでそんなブランクがありながら小説を、しかもいきなりエロいやつを投稿し始めたのかというのは散々触れたことだから割愛して、ともかく初作品でしかも超長編という最悪な一手を踏んでしまったのがなんとも慣れていなかったことの証左でもある。
……いやまあ、今だからそんな偉そうな事言えるけど、当時はプロットに対して必要な文字数の感覚っていうのが全くなかったんよ。だからこればっかりはしゃーない。言わば若気の至りというかなんというかだ。

ともかく、そうして始まったこの作品はとにかく前途多難だった。
読んでくださる方がいる以上中途半端には終われない……ということでヒューリー編が終わっても継続を決めた結果、イヴリスの所で動けなくなった。
それは、その時点で「自分の求めるエロ」の形がここには無いと気づいてしまっていたからだし、致命的だったのはイヴリス堕としがちっともエロくなかったってことだ。

なんせ、アレは色々と無茶がありすぎた。

そもそも触手モノというのは一人称と決定的に相性が悪いのに、よりにもよってその一人称の主人公は子供に類する思考回路という二重苦。当時は開き直り宣言をしていなかったので淫語は使えないし、この作品ではハートも使えないから視覚でエロさを表現することすらできない。
大体、この頃には薄々ボクは子宮姦が大好物で、せめて子宮口(ポルチオ)くらいは関わらないとエロく感じないというのは気づいていたんだけど、魔族暮らしは当時ブレーキを踏みながらえっちシーンを書いていたこともあってソレも難しかった。

そんな状況の上に自分の文章力の無さも相まって、頭で考えてる分にはすごくエロいのに実際に形になるのは脳内イメージを何十倍にも薄めたような微妙なモノ。
技術的にはどうすればエロくなるのかは分かっているけれど、先に挙げた縛りのせいで自分が出せる限界の力を持って描写できないもどかしさ。
書いても書いても自分が満足できず、ものすごい妥協の末にあのシーンは無理やり幕を下ろさせた。

だからその時点で相当に燃え尽きてはいたんだ。
そして、『転生勇者の享楽』はちょうどその時に魔族暮らしから逃げるようにして書いていた。
違うんだ。今本気で書いたらこれくらいエロくできるんだ。アレ(イヴリスのエピソード)は縛りプレイの結果なんだ。
そんな事を考えながら必死にキーボードを叩いていた気がする。

で、そこからはもう目に見えて更新スピードが落ちて。
4月→7月の空白は転生勇者。8月→12月の空白はTS娘とフィネア。
そして年明けの2018年3月→9月は引っ越しとかその他諸々。
他にもいろんな短編を書いているわけだから、つまるところコイツが停滞していた時には常に別のなにかに取り組んでいた事になる。

理由は明白だ。

今だからはっきり分かるけど、自分が表現したいエロは何なのか。自分が好きなエロは何なのか。自分が求めている物語とは何なのか……といった辺りを詰めずにスタートしたから。これに尽きる。
でもこれは卵が先か鶏が先かの議論で、そういった事が分かったのは魔族暮らしでノクタデビューして、色々苦しんだり楽しんだりしながら進んできた結果だというのを忘れてはいけない。

要するにこの作品が見切り発車でスタートしなければネット上にHNAK-XRは生まれなかったし、転生勇者も、TS娘も、そしてご依頼を頂いて首なし騎士フィネアを書き上げることもなかった。

そしてだからこそ、ボクはこの作品をどうしても完成させたかった。

自分の中ではものすごい負担になっていると知りながら、それでもこの作品を最後の最後まで見届けてレテに「ほんじゃーな」って手を振って先に進んでいってほしかった。

そんなわけで、半ば意地になりながら書き上げたのが『その日暮らしの魔族暮らし』という作品だ。
この作品から学んだことはとても多くて、これを完結させた今だからこそ次の長編に対して前向きに取り組むことができるようになった。
正直短編に関してはある程度自分のスタイル(=ひたすらエロ特化)のようなものが掴めてきているし、やっぱり長編で、有り体に言えばストーリーで人を惹きつけられる物語を書きたい、という欲求もある。

……つーか、多分ボクはエロに関してはある程度評価をされてるんだろうけど、ストーリーに関しては全く評価されていない自信がある。
というより、TS娘以外はろくすっぽストーリーというものがないので評価しようがないという方が多分正しい。
だから小説で次のステップに進むためには多分ここにテコ入れが必要で、今ようやくそこに目を向ける土台が整った……といったあたりだろう。

まあそんなわけで、次の長編、頑張っていきましょうか。

ノクターンノベルズ
えろんのかんづめ

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