エロいものを見続けていると何がエロいのか分からなくなってくる。
ついったのTLをぼんやり眺めていると、ふとそんな事を考える時がある。
というか実際これはあながち間違いでもなくて、数日ぶりとかについったを開くと流れてくる画像一つ一つがえらくエロく感じるものだ。
逆に、毎日TLを眺めているとその〝エロい〟感覚が鈍っていって、妙に過激なものに食指が動いたりする。
そんな折だ。
〝性癖のエコーチェンバー〟というワードがふと頭に思い浮かんだのは。
エコーチェンバー現象
――性癖のエコーチェンバー。
なんてかっこつけたが、要するにエコーチェンバー現象が性癖においても起きるんじゃね? という話である。
エコーチェンバー現象ってなんぞや? というと、ウィキから引っ張ってくるという学術的には失格な事をすれば以下の通りだ↓
エコーチェンバー現象(エコーチェンバーげんしょう、Echo chamber)とは、閉鎖的空間内でのコミュニケーションが繰り返されることにより、特定の信念が増幅または強化されてしまう状況の比喩である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
とどのつまり、自分にとって都合のいいTLを構築する結果、どんどんとその方向性が先鋭化してゆくというコトである。
これがよく当てはまるというか、よく例に出されるのは政治系の話題の話で、一部界隈では熱狂的に盛り上がり〝それ以外の意見などない〟とばかりに支持者だらけのように見えながら、いざ選挙で蓋を開けてみれば全然支持などされていなかった……というのがある。
とにもかくにも、SNSというのは〝類は友を呼ぶ〟の最終進化形とすら形容できるような性質を持っているため、自分にとって都合のいい情報だけが集まって大勢を見失いやすい。
つまり〝性癖のエコーチェンバー〟というのは、なんてことはない、単に自分の目に飛び込んでくる性癖を〝普通〟と錯覚してしまうというだけの話である。
性癖の3σを考える
とまあ、エコーチェンバー現象そのものは非常に単純なもので、「なるほどそういう性質があるんだね。気をつけよう」と素直に納得できるし意識の片隅に置けているような気がする。
ところが、冒頭述べたように数日くらい期間を空けてついったに戻ってくるとなんでもかんでもエロく見えるのである。
これが「病気で伏せってたから」というのであれば単に溜まっているだけという話になるが、実際には単についったから少し距離を置いただけ(=ちゃんといつも通り抜いている)という状態でもそうなる。
数日置いたから神絵師のイラストが投下されてるだけじゃね? と考えたコトもあるけど、別に神絵師(と呼ばれる域にいる人たち)以外のイラストでもくっそエロく感じるのである。
はてさて、これはどういうコトなんだろうか。
そんな折にふと頭に思い浮かんだのが〝エコーチェンバー現象〟だった。
端的に言えば、数日間〝己の性癖に突き刺さりやすいイラスト〟から距離を取った結果目の肥えがリセットされて、目に飛び込んでくるもの一つ一つがエロく感じているのではないか? というコトである。
実際問題、自分の興味あるイラストや話題を提供してくれる人を能動的に〝フォロー〟してゆくのが基本であるSNSにおいて、自分の目に飛び込んでくるのは数多あるイラストの中からほんの一握り選ばれた〝自分の性癖に合致しやすい〟ものであるのは自然の摂理だ。
だからその平均値は大分に偏っていて、注意しないとどんどんと極端な方向へ進んでしまう。
例えば、ボクは女の子が自分自身を〝雌〟として自覚しておまんこ差し出してる……みたいなのが大好きなわけだしTLもそういうのが沢山流れてくるけれど、じゃあそれが一般的か否か? というと話は別なのである。
もちろん性癖なんてのに〝一般的〟もへったくれもないわけだけど、肌感覚として、ある程度たくさんの人が許容できる、言わば〝3σの範囲〟というのは確かにある。
あくまで肌感覚だし、NTRのようにいきなり許容範囲が広がるパターンもあるものの、ドラゴンカーセックスとかマトリョーシ姦のように「それは分かんねぇ」という人が大半を占めるようなものも存在しているのだ。
それが将来的に受け入れられるかどうかはまた別の議題であるので置いておくとして、自分にとってあまりに特化しているTLを見過ぎてしまうと、ふとした拍子に〝3σの範囲〟から外へ足を踏み出してしまうというのは意識しておかないといけない。
自分の目に飛び込んでくるモノを信じてはいけないのだ。
Victim Girlsと初邂逅した時の衝撃を忘れてはいけない(戒め
唐突だけれど、朝凪先生の作品にVictim Girlsというシリーズがある。
ボクがそれに出会ったのはこ――大学生になるくらいだったけれど、初めてそれを見た時の衝撃というのは計り知れなかった。
今のボクの性癖を形作っている出会いだったのは間違いないのだけれど、当時のボクが思ったのは「こんな作品存在していいんか……?」だ。
禁書に出会ってしまったような、あるいは、小学生の時にたまたまエロサイトに辿り着いてしまった時のような、そういう興奮と戸惑いに包まれたのを今でも鮮明に思い出せる。
まあ、元よりボクに素質があったのか、それともその瞬間に性癖がねじ曲がったのかは分からないものの、その後そのシリーズには大変お世話になるし、今のボクを形作っている大切で重要な要素なのだけれど。
少なくとも初邂逅の時には本当にそう思ったのである。
だから多分、ボクがこれまで提供してきたお話でも似たような衝撃を受けるコトになる人はいるんだろう。
ただ怖いのは、ついった上ではむしろボクが作ってきたモノはドノーマルの域で、偏差値で言うと50前後、下手をすれば50を下回っているくらいには〝王道〟なのである。
もちろん、時代は随分と進んでいて、昔に比べればアブノーマルと呼ばれる性癖も一般化してきた。
してきたが、だからといってさすがにそれが〝王道〟であるかと言えば多分そうではない。
だからいくらTLで流れてくるモノが過激であろうと、それを平均値とみなして更に先鋭化させてゆくのはマズい。
なにせその先にあるのは、3σの内側の人々にとってはついていけず、その領域まで達してしまった人たちだけで閉じてしまったコミュニティだ。
知り合いが知り合い同士だけで繋がった――まさしく〝性癖のエコーチェンバー〟である。
Victim Girlsと初邂逅した時の衝撃を忘れてはいけない。
3σから外れたシチュなんて、一つの作品にワンシーン程度、それこそ添え物程度にあればいい。
というか多分、それを意識してようやく〝尖った作品〟くらいに落ち着くんだと思う。
最初の立ち位置からしてすでに特殊側へ外れているんだから、きっとそれくらいで丁度いいんだ。
ということで、今回は性癖のエコーチェンバーの話……目に飛び込んでくるモノだけを信じて先鋭化していくのは怖いんじゃない? というコトをつらつらと書いてきた。
まあ、当然だけれどこれはあくまでボクのスタンスの話なので、話半分程度に見ていただければ幸いである。
ではでは。今回はこの辺で。
皆様よいオナニーライフを……!
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