幼馴染のパラドックス

数日前の話なんだけど、こんなコトをつぶやいた↓

もちろん〝幼馴染のパラドックス〟なんて言葉はボクの造語だ。
それにこの後考えたんだけど、このパラドックス、どちらかと言うと『一般作品だと意中の相手とくっつけず、エロ作品だと意中の相手とくっつけるが寝取られる』と捉えた方が正しい気がしてきた。

ともあれ今回は、そんな幼馴染が持つパラドックスについて考えてみたい。

幼馴染=負けヒロインという悲しい図式

さて、〝幼馴染〟と聞いて思いつくのはどのようなイメージだろうか。
勝手な想像だけれど、エロに精通していない場合は多分〝負けヒロイン〟というイメージを持つ人が圧倒的に多いのではないかな? と思う。
実際、数ある一般作品や普通のエロゲにおける幼馴染は負けヒロインの代名詞とも言えるような存在で、そんなミームを逆手にとって〝幼馴染がメインヒロイン〟を前面に押し出す作品すら存在する始末だ。

まっこと悲しい属性である。

まあ、こうなってしまうのはストーリーテリングの観点から見ればむしろ必然で、なぜなら〝物語を作る〟という観点から見た時の幼馴染は〝メインヒロインとのやりとりにバリエーションを出す為のスパイス〟だからだ。
物語を上手い具合に進行させる為の潤滑剤と解釈してもいい。
特に、世界の存亡をかけた戦いとかそういう類いの何らかの強力なドライビングフォースがない形式(日常モノとか学園モノ、あるいはスローライフとか)において幼馴染という存在は手軽にメインヒロインとの関係(嫉妬やいさかい等々)で話を進展させられるし、いろんなイベントを起こさせることができる貴重な存在になる。

なもんだからそういう類いの作品において幼馴染はよく登場するし、そういう背景があるから、言わば必然的に〝負けヒロイン〟のポジションに落ち着いてしまうのだ。
本当に悲しい話だ。
これが現実の話であればそもそもそんな特殊な恋愛イベントが起きないので幼馴染にもチャンスはあるが、そもそも現実世界こそ幼馴染とくっつくなんて相当なレアケースである。
小学生の頃隣に住んでいてしばしば遊んだことがある程度で、大人になってから……どころか中学生くらいの年齢ですら好き合うコトなんてそうそうない。

あれ? そう考えたら幼馴染が負けヒロインなのはむしろ順当なのか?
……なんて、そもそも二次元と三次元は別物で、二次元の幼馴染ヒロインは本気で恋してくれているんだから前提が違う。
実際、もしも三次元の幼馴染が二次元と同じく本気で好きになってくれたんだとしたら、(その後上手くいくかどうかは別として)恋人同士になるコトそのもののハードルは非常に低いだろう。
なにせ現実世界では、月のお姫様とかいう超強力ライバルがいきなりホームステイしにくるなんていうとんでもなコトなんてのはあるはずがない。

閑話休題。

ともかく、物語における幼馴染というのはその生い立ちからして勝ち筋が薄いので、そういう特殊なプロットを書かない限りなかなか意中の相手と結ばれるというのは難しいのである。

エロシチュにおける幼馴染

なんだけど。
これが一般作品とか普通のエロゲではなく、抜きに特化した〝エロ作品〟だと話が変わってくる。
なんとこれらの作品では大体幼馴染ヒロインは意中の相手と付き合っているのである。
しかも場合によっては処女も捧げていて、ここだけ見れば見事な勝ちヒロインだ。

……まあ、その後寝取られるんだけど(ぇ

理由は単純。
今回もストーリーテリングの観点……もとい、〝寝取られ〟というシチュを最大限にブーストするためのスパイスの一つとして〝幼馴染〟という属性が使われているからだ。

そりゃーもう、なんとも強力なスパイスである。
なにせ幼馴染。
幼稚園の頃とかなら二人でお風呂に入ったくらいの間柄かもしれないし、そうでなくとも子供の頃からよく知っている相手である。
家族といってもいいほどに親密な幼少期を過ごしていることだってある。
そんな相手が寝取られた時のオギオギする感情は、単に彼女が寝取られた時のソレとは重さが違うだろうコトは想像に難くない。

だから幼馴染の寝取られモノは流行る。
寝取られモノのシコリティは寝取られる女の子への思い入れの深さが大切なので、幼馴染は簡単にその〝深さ〟を醸成できるんだからむしろ使わない手はない。
これが例えば妹や姉だと近親相姦の壁を超えてもなおちょっとした説明(お姉ちゃんが〝ボク〟にすごく優しくて……みたいなやつ)が必要なんだけど、〝幼馴染で彼女〟というのは倫理的にもシチュエーション的にも下手な設定やバックグラウンドが必要ない。
寝取られる為に生まれてきた属性と言っても過言ではないだろう。

つまり幼馴染というのはその属性を与えられた時点で〝エロに縁遠ければ遠いほど意中の相手とくっつけず、エロに近ければ近いほど意中の相手とくっつけるが寝取られる〟という業を背負っているのである。
これが幼馴染のパラドックスだ。

〝幼馴染のパラドックス〟は打破できるのか……?

このパラドックスはかなり強力でやっかいだ。
一般作品でこのパラドックスを乗り越えようと思ったら幼馴染を主軸にして話を展開するしかないし、エロでは『昔から知ってる相手の雌の顔』という寝取られにもってこいのシチュエーションとは違う何かを考えなきゃいけない。

まあ、ぱっと思いつく方法は恋人同士になってから初めて見せてくれる表情や仕草、結婚してからふと昔を思い出して少し恥ずかしがる……とかだしこういうシチュは大好きだけど、寝取られとか堕ちモノでしてくれる本物の〝雌の顔〟のインパクトにはどうしても届かない。
どれだけ色々な方向で考えても、現状、結局パズルのピースとして幼馴染はあまりにも寝取られやら堕ちモノの文脈にマッチしていて、他だと大分インパクトが薄まってしまう。

どうしたもんやら……。
ストーリー的な部分でてこ入れできる一般作品ならまだしも、エロ特化で考えた時に寝取られやらに対抗できるカードが本当に思いつかない。
ボク自身は幼馴染は好きなのでなるべく勝ちヒロインにしてあげたいんだけど(だから魔族暮らしのエリシャはレテとくっついてるし、レテにとっても最後までずっとエリシャは特別な相手)、幼馴染は堕ちモノでよく映えるという言説に反論はできないしむしろ賛同できる。

結局、何かブレイクスルー的な幼馴染の活用法が見つからない限り、このパラドックスは存在し続けるんだろう。
そのブレイクスルーを見つけるのが自分なのか他人なのか、はたまた生きている間にはついぞ出会えないのかは分からないけれど……。

 

ではでは、今回はこの辺で。
皆様よいオナニーライフを……!

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