FE風花雪月めちゃんこ面白いよ、って話

※ネタバレ含みです。過去作にもちょっと触れます。あとDQ映画のネタバレ+ディスりもあります。

学園モノ? とか言って敬遠するくらいだったらさっさとやったほうがいいと思う(´・ω・`)

さてはて、お盆休み。
久しぶりにガッツリ時間あるしとりあえずFEやっとくかー……くらいの軽い気持ちで始めたというか、まあさくっと終わらせますかー……くらいの感覚で始めたんだけど。
ドハマリして寝る間も惜しんでプレイして2日ほど、プレイ時間35時間くらいでとりあえず赤ルートクリア。
次は黄色やろっかなぁ、と思いつつさすがに違うことしないといけないってことで保留中なんだけど、いやこれほんと面白いというか時間泥棒ですわ。

特に二部がね。
ゲームっていうインターフェイスを最大限に活用しているって思う。

ということで感想をつらつらと。
軽くネタバレ含みなのでご注意くださいな。

 

 

 

 

事前情報でどこまで明かされていたのか分からないけど、いやしかし、二部はほんとしんどかった。
何が辛いってね、一部の時点でスカウトしとかないと基本的にそのクラスのユニット以外は皆殺しなんすよ。
他のルートは知らないけど覇王ルート、要は赤のエーデルガルドルートはそう。
んで、ボクはスカウトゼロで行ったのでほんとに皆殺し。
突っ込んでこなかったりあえてちょっかい出す必要もない位置にいたりとかでない限りは全部です。
戦場で生き残る人ってこうして生まれるんだな……とか思ってしまった。

で、素晴らしいのはそれをゲームとして落とし込んでいる事で、プレイヤーは嫌でも味わうわけです。
20時間以上かけて一部をクリアして、スカウトなんぞ全くせずともある程度他クラスの子の顔と名前が一致して、この娘可愛いなーとか、こいつ意外にいいとこあんじゃん! とかってなってる中で、ソイツを殺せ、と、自分のクラスの子達に命じるわけです。

攻略上どうしようもないから殺せ、と。

なんせ五年前学園で過ごした子たちというのはそれはもうとにかく強力なユニット+反則武器のオンパレードで、放ったらかしなんてした瞬間にはこっちに被害甚大というか、まともにクリアできないように設計されている。というかマップによっては「敵将の全滅」がクリア条件になってる。
だから多かれ少なかれ手にかけなきゃいけない。
で、手にかけたら特殊な演出が入る。っていうか自ユニットが戦死した時より派手なエフェクトで一瞬スローになって死亡セリフ+敵将等からの特殊セリフが入る。

これがもうほんと、心にぐっさりくる。

ここにベルの「また生き残った! また殺した!」っていうセリフが突き刺さる。
というか、二部になっても表面上は一部と変わらないやりとりをする自ユニットが、けれど精神的にはだいぶ参ってて、みんな相当悲壮な覚悟を持っているんだっていうのが分かる。
手加減はできない、とか、棘ばっかり磨いて華は残ってるんだろうか、とか。
文字で書くといっぱいいっぱい感が伝わらないと思うけど、実際に聞くと声優さんが「ギリギリの中でどうにか生き残っている」っていう悲壮感をもり立ててくれていて、今までのFEだったら「彼女は親友だったんです……」っていうユニットに対し「ふーん」と思う程度だった、プレイヤーという神の立場を戦場に引きずり落とす。

殺したくないんだ、誰も。
今までのFEだったらなんのかんの説得できたのに、今作では一部でどうにかしない限り(恐らく)手の打ちようはない。
だからできるんなら見逃したい。なのにみんな突っ込んでくるから迎え討たざるをえない。屍の山を築くしかない。

で、恐ろしいのは、そうしているうちにプレイヤー側が慣れてくる。
見知った顔に刃を振るうことに心が麻痺して、殺せと命じることに躊躇いがなくなってくる。
こちらの被害が出る前に遠距離で仕留めろと、淡々と指示を出す事になる。

まさに戦場の狂気だ。

このゲームはゲームでありながらそれをまざまざと見せつけてくる。体験させてくる。
ゲームという、双方向性を持つ媒体だからそれができる。主人公への感情移入とかそういう手段ではなく、〝手を動かす〟ということで戦争というものを体験させてくる。

これがゲームだ。
ゲームという媒体だからこそできる経験であり体験だ。
どこぞのクソ映画にいまさら言われるまでも無くみんな知っていて、だからこそボクらはゲームという双方向性の媒体にここまで魅了されているんだ。

風花雪月の二部は辛い。ほんと辛い。
封印以降、IFと旧作リメイク以外全部やってきたけど、今回が一番キツい。
なんだかんだ「宇宙人が来たらみんな手を取る理論」でお茶を濁した暁とは根本的に違う。
暁の三部やった時もグサグサ来たけどみんな撤退扱いだしFEのお約束もあるしで、まあ大丈夫だろう、とかって思っていた。
というかそういう意味では今回も「言うてなんとかなるやろ」と思ってた。でもダメだった。二部で敵になったユニットは(リシテアっていう例外がなぜかいるけど)寝返らせれない。
息の根を止めるしかない。

そしてこれは逆に言えば、寝返らせるなら一部で手を打っておくしかなくて、そうすると〝一部であれだけ仲が良かった二人〟とかで刃を交えるシチュエーションが実現するようにできている。
自分(プレイヤー)の手で友人、ないしは(いるのか知らんが)恋人の関係を引き裂くわけだ。
今までのFEなら「運命の悪戯」で済んでいた話が「運命(プレイヤー)の思惑」に様変わりし、ボクらはそこでもこの世界に関わるものとして歩み続けるしかなくなる。

とんでもないゲームだ。いっそ卑怯とすら呼んでもいい。
こんなの経験してしまったら今までのFEの勢力図とかそういうのも神の視点で見れなくなる。
どこぞのクソ映画とは全く逆だ。
このゲームは、プレイヤーという絶対強者をゲームの中の世界に引き摺り落として魅了してしまう。
そういう意味で、窓口を広くするかのように学園モノを放り込んできたのは意図的でもあったんだろう。戦記物というとっつきにくいジャンルに興味を持たせるには十二分のインパクトを持っているというのは間違いない(重すぎてクリアできない人もいそうだけど……)

ゲームというものを、あるいはこの世にあまねく存在するフィクションというものを鼻で嗤い冒涜し貶め陵辱するふざけた映画が出た同時期に、ゲームというもののポテンシャルを、その素晴らしさを伝えてくれる作品が世に出たことは唯一の救いなんじゃなかろうか。
細かなUI上の不備とかもあるけれど、何よりゲームとして高い完成度を持っている至極の一本だと思うので、お盆時間ある方はやってみてはどうだろうか。
少なくとも、FEが好きならやって後悔はしないと思う。

感想
えろんのかんづめ

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