わた子宮の思い出をつらつらと

エッセイ的ひとり言

2024年1月20日。
当初の予定からはや数ヶ月、最低ラインと定めていた〝年内〟からも足を出しながら、それでもなんとか『私はあなたの子宮にしか興味ありませんので』は販売開始となった。

現時点での販売数は35本。
これが多いのか少ないのかと問われれば、個人的な感覚としては『すげぇ多い』だと思う。

何せ、このご時世に「ボイスなし、分岐なし」だ。
ボイスなんてあって当たり前という時代にボイスなしで、しかも子宮責めメインという異端なものをひっさげている。
その上で価格はお高めの税込み1310円。自分で言うことでもないが、そうそう手が出せるようなものではない。
DLsiteで探せばこれより絵もうまく、ボイスもついていて、しかもRPGやシミュレーションのような〝ゲーム〟としてのインタラクティブ性も備えた1310円のゲームはいくらでも見つかるだろう。

なのでこれはつまるところ、ci-enにも書いたとおり初めから「それでも子宮が好きな人は見てみてください」というメッセージだ。
これまた自分で言うことでもないが、そうでもなければ「買ってみる」という選択肢など浮かんでこないだろう。良くも悪くも、届けたい人にだけ届いてくれるはずだ。
そんなわけで、いいとこ10本売れれば……というような予想だったので、大分奮闘している方ではないだろうか。

まあ、そんなことが言えるのはかかっているコストがボクの時間だけだからというのもあるけれど。
もしこれでイラストとかボイスとか発注していたら頭を抱えていたに違いない。
……冷静に考えたら効果音とかの素材分の元も取っていない気はするけれど。
だからなんだ、という感じではある。
損益分岐なんぞはじめから考えていないというか、作りたいから作った。
本当に、ただそれだけだ。

いいじゃないか。世の中に一作くらい、子宮責めだけを扱ったADVがあったって。
ボクはやりたいぞ? それ。

はいえ、製作期間で言えば十ヶ月弱。
それだけの長い時間ずっと隣に居続けていたわけだから、これでプロジェクト終了です、となってもいまいち気持ちが切り替わってくれない。

実際いろいろあった。

WindowsUpdateとかいうクソ仕様に巻き込まれてデータがぶっ壊れ、それまで書いていたテキストが全ておじゃんになったこと。
その結果今の流れになったけど、当初の主人公と違ってカエデは一般人だったから、途中で(カエデの)心が折れてしまったこと。
途中までren’pyで作っていたのをティラノで再構築したこと。
音声加工やそれの配置、シーン切り替えなど、別にエロくもない作業が嫌で嫌でたまらなかったこと。

軽く思い返すだけでこれくらいのことが思い浮かぶ。
というか、正直今回はよく走り抜けられたなと。
なんとか形になったのは、途中で「楽しみにしている」というメッセージを貰ったからというのは嘘偽りのない本音だ。
正直あれがなかったら今でも形になっていなかったかもしれない。

普段は「支えてくれた皆様のおかげです!」と添える時、仮になかったとしてもなんだかんだ発表自体はしていただろうな……なんて天邪鬼なボクは思うけれど。
今回ばかりは本当に、それがなかったらここまで辿り着けていなかったと思う。
それくらい難産というか、しんどくてしんどくてたまらなかった。

イラストを描いていた時にはそんな風には思っていなかったのに。
その後のゲーム化の作業があまりにも、あまりにもつまらなかった。
だってエロくないんだもん。
効果音を一生懸命探して加工して……で一日(平日なのでそもそも時間が限られている)消費した時の、あのむなしさは忘れられない。

うまく動かなくてコードとにらめっこしている時間も、何もエロくない。
いやほんとに。
考えてる時間もエロくないし、完成してもここは本当にエロさに全く結びつかない。動いて当たり前なんだから。

もう二度とゲーム制作なんてしない。したくない。
かけた時間に対するリターンが少なすぎるというか、作業自体が楽しくないから心が持たない。
万が一、いや億が一、今作が1000本以上売れるみたいなことになったら「その方がエロいモノを届けられるらしい」ってことで考えるけれど。
そんなことにはならないだろうから、多分これが『えろんのかんづめ』最初で最後のゲームだろう。

……いやまあ、そんなことを言っていながら時間が経つとケロッとまたやってたりするんだけど。
その時はまあ、その時だ。
宮崎駿だって何度も引退しているくらいだし。

れからどうしようか。
気がつけば2024年の一月も半分を過ぎた。
直近の直近はskebでいただいている依頼をこなすというのがプライオリティワンな訳だけど、その次がふわふわしている。

時間の使い方を見直したいというか、もっと創作に向き合いたいという自分と、だらけたいという自分がいがみ合っている。
仕事と違って、頑張ったら頑張っただけうまくもなるし成果も出るんだから頑張れよ、というのは全くもって正しいのだけれど。
なかなかそうもいかないのが人間という生き物だ。

まあ、やりたいこと自体はちょこちょこあるんだからそれを一つづつ潰していけばいつの間にか違うところにたどり着いているだろう。
そんなもんだ。人生。

エッセイ的ひとり言備忘録
えろんのかんづめ

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