疑問点:
ある特定点に立ってモノを見た時、パースが一義的に(視野に依らず)決まるのはなぜなのか。
(写真の焦点が画面中心にあるとして、消失点がソコにならず、適当な(といいつつ一義的に〝決まる〟)場所なのはなぜなのか)
こいつが分からんので、数学的に整理していく。
まず、ある特定の一点=観測点を決める。
これは〝点〟なのでゼロ次元の情報だから、消失点は三次元に広がっている→いわゆる消失球。
次に、〝方向〟ってのを決める。
これは〝線(一次元)〟だから、消失点はある一点で確定する。
けれど残りの二つは確定しない(いわゆる視野錐?)。
※この時点ではまだ水平線と垂直線は考えない(というか、一次元の情報しかないので考えられない)体で行く。
その一点は(後で現れてくる)水平線と垂直線の交点になるのでこれがいわゆる「一点透視法」だが、今考えている世界はまだ一次元なのでこの透視法はまだ産声をあげない。
で、この後次元を拡張する。つまり〝面(二次元)〟を考える。言い換えれば、〝幅〟。
こうして始めて「水平線」という考え方が出てくる。まだ垂直線とかアイレベルといった高さの情報は出てこない。
今、ある特定点に立って向きと幅を考えたので、確定する次元情報は二つ。
つまりこの時点で、消失点は二つ定義できることになる。
最後に高さを考える。
こうするとようやく垂直線って情報が出てきて、確定する次元情報は三つになる。
何が言いたいか。
つまり、ある特定の点に立って〝方向〟と〝幅〟と〝高さ〟を認識した瞬間に、〝三つの消失点〟は数学的に揺るぎなくある一点で固定される。
その点は、それぞれ水平線と垂直線上の上。
そして、一点透視にしろ二点透視にしろ、透視図として三次元を書いている時点で実は三次元の情報はその中に含まれてしまっている。
一点透視法で、平然と〝面〟を〝奥行き〟という形で投影してるんだから、考えてみればそりゃそうだ。
これは超重要で、つまりこの世の中に〝透視法〟ってのは三点透視法以外には存在してないっていうこと。
(魚眼は知らん。アイツの場合は三次元に対して消失点が4つなので、必然的に歪みが大きくなるっていう解釈でいいとは思う。が、魚眼は真面目に考えたことないのでここでは触れないし、〝四点透視法〟とは言わんからやっぱり三点透視法の亜種だろうなとはおぼろげに捉えている)
一点透視とか二点透視ってのはあくまで、三次元透視法の特殊な場合。
(楕円関数における特殊解が円の方程式、みたいなもん)
だから、一点透視法と二点透視法を運用する場合には、厳密に制限がかかる。
それが例えば、一点透視法なら「消失点は画面中心。水平線と垂直線の交点」なわけだ。
これを満たさない一点透視法は存在しない。というより、これを満たしているから一点透視法として扱える。
さて、で、次にアイレベルって問題が出てくる。
こいつがまあ曲者なわけだけど、これは言ってしまえば〝観測者の主観〟であって、ここまでの話で〝数学的に固定された三点〟からなる構造物をあなたはどう見ます? っていうだけの話っぽい。
大体そもそも論にして〝アイレベル〟ってのを考えなきゃいけないのは〝観測者の背丈〟とか〝仰角〟っていう三次元情報があるから。
もっと言えば、目が動くから。
故に二点透視法では必ずアイレベルと水平線は一致する。数学的にこれは絶対。
アオリと俯瞰が描けない? ばっきゃろい。その言葉を使ってる時点でお前の頭の中では三次元で情報が展開されてるんだ(戒め)。
※よく二点透視法で水平線=アイレベルとか言われてるけど、そんな事言うからボクみたいに訳わかんなくなる人間が出てくるんだ。というか、区別する理由が分かんなくなっちゃうんだ。
二点透視法に観測者の三次元情報は含まれない。だからその目線=観測点は、必ず地面にくっついた状態で投影したものになる。
だから厳密な二点透視法を考える時にアイレベルっていう概念はそもそも生まれない。
じゃあアイレベルってのは何なん? というと、これは巷でよく言われてる通り目線の高さなわけ。
大切なのは、それを考えてる時点で、二点透視法を使っていながら頭の中では三点透視法を使ってるってことなんよ。
これは普段見ている世界が三次元なせいで引きづられてるんだけど、ここはしっかり切り分ける必要がある。
じゃなかったら、必ず消失点は水平線上にあって、その線は必ず画面を上下に二分する位置になる。(画面の上下を……、とか言ってる時点で三次元情報が含まれてるんだけどさ……。これはまあ、世界が三次元なんだから仕方がない)→ここ違うね。二点透視法の時に水平線はどこにあってもいい。が、必ず地面とは平行。〝見上げた〟〝見下ろした〟瞬間に二点透視法は崩れて三点透視法になる。
いわゆる水平線=アイレベルっていうのは、あくまでもものっすごい遠くを〝角度をつけずに(仰角ゼロで)〟見た時に、目線の高さってのは地面の高さに近似できるでしょう? ってだけの話。
(ちなみに、海岸で海を見た時に水平線は4.65kmくらい先。人の背丈なんて0.017kmなんだから、そりゃあ近似してもいいよねっていう、そんなけの話だよね。地球は丸いから、水平線って時点でそもそも近似してるわけだけど)
いずれにせよともかく、アイレベルとかそういうの全然関係なく、理論的に〝消失点は必ず水平線上に存在する〟という部分に到達できることになる。
んで、そこに対して、どういう高さでどういう角度でモノを見よっか? ってなった時にアイレベルってのが出てくる。
吊り下げたカメラでジオラマを取ってるようなもんだろうか。
例えば監視カメラの視点は完全に俯瞰なわけだけど、消失点は必ず水平線上にある。大抵の場合、画面の中に水平線は存在しないけどね。
だから監視カメラで水平線上を見たら(カメラを縦に振ったら)、その時には水平線とアイレベルは一致して、二点透視法になる。
……うん。
ようやくいろいろ、しっくり落とし込めた気がする。
ここに書いた内容なんてそりゃあどっかで見たことあるようなことなんだけど、こうして形にするとまあ、あー、あれはそういう事だったのか、と分かってくるね。
まあ何にせよ、これでまた一歩進めたんじゃなかろうか。
追記
結論忘れてたΣ(´∀`;)
【疑問点:
ある特定点に立ってモノを見た時、パースが一義的に(視野に依らず)決まるのはなぜなのか。
(写真の焦点が画面中心にあるとして、消失点がソコにならず、適当な(といいつつ一義的に〝決まる〟)場所なのはなぜなのか)】
に対する回答は、ある特定の状況を除いて透視法は必ず「三点透視」であり、その消失点は水平線と垂直線で決まるので視野に依らず一義的に決まる。
視野はあくまでも観測者の三次元情報であって、消失点そのものには影響しない(消失点は観測点を決めた時点で確定する)。
その、視野の情報で一番有名なのがアイレベルで、他にも視野角とか焦点とか、そういう情報が入ってくる。
とりあえず、今の段階での結論は以上。
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